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お腹すいたよーぅ

お腹すいたよー
でも何も食べれないの。
なぜか左ほほがめちゃめちゃ腫れて、顔がひし形になってるの。
歌は歌えるし、飲むのも大丈夫だししゃべるのも平気。
けど、なぜか噛めない・・・激痛が走る。

最初は、親知らずのせいかなーと思ったんだけど、歯医者に行ってみたらどうも違うらしい。
親知らずは親知らずで問題だけど、親知らずで腫れる位置と違うんだって。
そして歯医者さんに勧められるままに耳鼻咽喉科に。
どうやら、おたふくとは違う菌で、おたふくのような症状が起こってるらしい。
原因がわかってよかったーけど痛いよーーー

その耳鼻咽喉科が、めちゃめちゃおもしろかったの。
まるで小説みたいなので、小説仕立てに書いてみる。



時計はもう5時を回り、空は夕暮れというより夜の色をしていた。
こんな時間に、それも正月もまだ4日だというのに。
どんな医者が病院を開けているのだろうと、その恩恵に自分が授かるというのに、
鞠子の中では不謹慎にもありがたいという気持ちよりも好奇心が先行していた。

鞠子の父親が車を停めたのは、意外にも駐車場も広く、まだ新しい、山小屋のような病院だった。

先に行く父親は、やや緊張した面持ちで引き戸になっているドアを開く。
「こんにちは。」

午前中に訪れた歯医者とは違い、玄関がそのまま受付だった。
靴を脱ぐ必要もないので、スリッパも置いていない。

「こんにちは・・・」
受付には二人の看護婦が座っていた。
ひとりは40歳くらいの、おっとりとした印象のおばさん看護婦。
もうひとりは、22,3くらいのいかにも学校を出たての、しかしエリートの顔つきをした、
眼鏡をかけた内弁慶ぶりを想像させる看護婦だった。

しかし、挨拶を返したきり、2人とも何も訊かない。
仕方なしに父は私の症状について細かに話し始める。
しかし、「はぁ」とも「そうですか」とも言わない。

話題が保険証の話に移って初めて、彼女たちは私たちに興味を示したようだった。
私が一人暮らしを始めたため、保険証から名前を抜き新しい保険証を作ったこと、
そしてその遠隔地保険証を帰省の際に持ってこなかったことを説明すると、
彼女たちはまたそれを奥にいるらしい医者に向かって説明し、確認を取っていたようだった。

「では問診表をお書きください。」
ようやく出たその一言で、私たちは居心地の悪い受付から解放された。
問診表を書き終えて2分としないうちに
「さいとうさまお入りください。」
2人もいる受付の看護婦以外の第三の声が、誰もいない待合室をこだまする。
それも、肉声ではない。
スピーカーから出た声だ。

いくらも広くない個人経営の病院で、マイクで名前を呼ばれるなんて!
こんなおかしな病院、来たことがないと私は思った。
その瞬間、診察室のドアがサッと開いた。
私が開けたのではない。
扉の向こうで待ち構えていた看護婦が開けたのでもない。
自動的に開いたのだ。
かといって、自動ドアでもない。
出るときに気づいたのだが、診療室の奥に座っている医師の手元に、
ドアを自動で開け閉めできるスイッチがあるのである。

「おかけください」というよりも早く、その耳鼻咽喉科医は症状について尋ねだした。
誘導されるように、私は、一昨日から腫れだしたこと、ものを噛むと痛いこと、歯医者の領域ではないと言われたことなどを説明していった。
ふぅん、とでも言うように彼は興味なさそうにうなずき、腫れた頬に触れていった。
「ここ痛い?ここは?ここは?」
答えようがないほど口早に訊かれる。
その触れ方もひどい。
たとえ何の異常がなかろうと確実に痛かっただろうと思うようなつねり方である。
あまりの痛さに顔をしかめながら、やっとの思いで
「い、痛いです、そこは大丈夫・・・あ、そこは痛いです」
などと答えていくと、すぐに
「ふん。耳下腺炎だね。」
と病名を挙げ、医師はカルテを書き出した。

書く、というより、描く、と表現したほうがよかったかもしれない。
彼は自分がカルテに書き込むミミズのようなドイツ語が大好きらしかった。
1単語書くごとに満足気に見つめている。

カルテを書くのに、診察の悠に3倍くらいの時間は費やしていたのではないだろうか。
退屈した私は、そのとき初めて広い広い診察室を見渡してみた。

広いデスクの上には、真新しい3台のパソコン。
1番奥の画面の前には、緑色のプラスチックの縁の眼鏡をかけた看護婦がひとり、
画面でもなく、私でもないところに視線を据えて座っている。
視線を移すと、斜め後ろ、私が入ってきたドアのすぐ脇にも、地味な印象の看護婦が無機質な表情を浮かべて座っている。
どちらも、受付にいた二人とは違う、別の二人だ。



ちょっと、あまりにも時間がないので、~つづく~かもしれません
by marmariko | 2006-01-05 00:03


目指せ、イイおんな!


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